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— 会話 (@bad_texter) December 14, 2023
古い一戸建ての住宅街を対策していました。かなりの規模の住宅街で、そこには学校に銀行、食堂もありました。大きな公園には屋根付の休憩場とトイレまであり、大変に助かったことを覚えています。
このような古い住宅街は街区割が整然としていて移動には便利ですが、契約と未契約の色づけがはっきりしていて、なかなか厳しい現場でもあります。
転入や新築も少なく、夜間の訪問が嫌われる地域でもあるので、日中からひたすら訪問数確保に走っていました。このような場合、一軒での足止め時間が長いと致命的で、早く見切りをつけることが肝心です。しかしむげにあしらうわけにもいきません。
足止めをくい、結局契約の取れなかったお宅でのことでした。
ドアフォン越しの「うちはけっこうです」という返事に対して、お決まりの文句で応答したところ、ドアが空いて年配の奥様が出て来ました。
奥様は受信料を「払いたい気持ち」はあると言われました。しかし20数年前の出来事以来、あえて払っていないとのこと。当時は入居間も無い頃で、住宅街の中にある銀行に口座を開いて光熱費の自動振替手続きを行ったそうです。すると、まだ届けをしていないはずのNHK放送受信料が自動落ちになったのだといいます。奥様はさっそくNHKに抗議したそうですが、銀行のことも怪しんでいました。天下のNHKのミスとしては許せないというのです。
このことは局の職員にも告げましたが「そんなことはないはず」「不幸な勘違いでは」と言われました。
真偽のほどはわかりません。実際はどうだったのでしょう・・
転入者に出逢えると、既に契約済みのお客様には住所移転手続きをお願いします。この手続きも取次ぎ事務費になりますからこんな時は幸いです。
ところが人間、追い詰められるとこれを悪用してしまうことがあるようです。
「追い詰められる」というのは成績が上がらないということです。成績が上がらないと単純にお金にならないわけですが、成績低迷の中で契約ゼロの日があったりすると上から言われるのは当然として、同僚後輩に示しがつかないということにもなります。その状況はさまざまでしょうがとにかく追い詰められます。
悪用とは、契約済みのお宅の住所を空家の住所に転入手続きしてしまうことです。いずれ発覚して、発覚すれば即退職です。けっこうこれで退職する人がいると聞きます。追い詰められた時の心境にはことばに尽くせないものがあります。私も人ごとではありません。たとえ追い詰められても、お天道様の下を歩きたいですから、何事も割り切っていく以外にないと思います。
さて、「いつのまにか受信料が自動落ち」のことですが、20数年前には郵送される自動振替通知にはマスキングがされていなかったと記憶します。これをたまたま手に出来た第三者がいたら・・三文判も通ってしまったら・・
世の中は広いようでけっこう狭いものです。一時しのぎの愚かな行いは世の中をいっそう狭くして自分のクビを絞めるだけです。なによりも家族を不幸にしてしまいます。集中して汗を流しグッスリ眠ること。これが一番だと思います。お天道様の下で。
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