介護の基本カリキュラムから、介護職の職業倫理に関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)、及び、補足事項を記しています。
介護職の職業倫理に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
- 社会福祉士及び介護福祉士法では、誠実義務、資質向上の義務、秘密保持義務を倫理として定めている。
- 効果的な介護支援を行うためには、利用者からなるべく多くの情報を得る必要があり、知りえた個人情報は慎重に取り扱わなければならない。
- 効果的な介護支援のため、ケアチーム内で利用者に関する情報を開示、共有することが必要であるが、その際は原則として利用者の許可が必要である。
- 日本介護福祉士会の倫理綱領の前文では利用者の自己実現を支援することを掲げている。
- 介護実践を行う場合に必要な、倫理的判断の4つの視点とは、(1)自律尊重の視点、(2)善行の視点、(3)悪不履行の視点、(4)地域福祉の視点である。
正解:3
「効果的な介護支援のため、ケアチーム内で利用者に関する情報を開示、共有することが必要であるが、その際は原則として利用者の許可が必要である」は正しい。どの情報を誰と共有すべきかを、介護者は利用者と話し合い、許可を得る必要がある。
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介護職の職業倫理に関する問題の誤り(正しくない)への補足
- 「社会福祉士及び介護福祉士法では、誠実義務、資質向上の義務、秘密保持義務を倫理として定めている」というのは誤り。社会福祉士及び介護福祉士法では、誠実義務、信用失墜行為の禁止、秘密保持義務を定めている。
- 「効果的な介護支援を行うためには、利用者からなるべく多くの情報を得る必要があり、知りえた個人情報は慎重に取り扱わなければならない」というのは誤り。利用者のプライバシーを尊重するために、課題解決に不可欠な情報以外は詮索してはならない。情報を開示するか否かを判断する権利は利用者にある。
- 「日本介護福祉士会の倫理綱領の前文では利用者の自己実現を支援することを掲げている」というのは誤り。前文では、ノーマライゼーションの実現を目指し、高齢者も障害のある人々も社会の一員として生涯住み慣れた地域で尊厳をもった生活が営めるよう支援するとある。
- 「介護実践を行う場合に必要な、倫理的判断の4つの視点とは、(1)自律尊重の視点、(2)善行の視点、(3)悪不履行の視点、(4)地域福祉の視点である」というのは誤り。地域福祉の視点ではなく、正義・公平の視点。現実の介護実践で、4つすべてを満たすことはむずかしいので、3つ以上満たせばよいとされる。
⇒ 介護職員初任者研修修了試験の筆記テスト練習問題(模擬問題)の一覧へ
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