認知症の理解のカリキュラムから、認知症の中核症状に関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)、及び、補足事項を記しています。
認知症の中核症状として、通常見られない ものを一つ選びなさい。
- 記憶障害
- 見当歳障害
- 失語・失行
- 不潔行動
- 判断力の低下
正解:4
「不潔行動」は通常見られない。不潔行動は、認知症の周辺症状(BPSD)である。
認知症の中核症状に関する模擬問題の【通常見られるもの】の補足
- 記憶障害は、認知症の中核症状である。
- 見当識障害は、認知症の中核症状である。
- 失語・失行は、認知症の中核症状である。
- 判断力の低下は、認知症の中核症状である。
上記、設問(模擬問題)の見当識障害について、以下に記します。
見当識障害(けんとうしきしょうがい)とは
見当識障害(けんとうしきしょうがい)とは、自分が現在置かれている環境が理解できなくなる障害のこと。
季節、日付、時間(朝・昼・夜の区別)、自分が現在いる場所のみならず、自宅の住所や家族や親しい友人なども認識できなくなる。 認知症はじめ、高次脳機能障害・統合失調症・アルツハイマーなどでみられる症状。
認知症と見当識障害
見当識障害は認知症において、ほぼ常に出現する症状群を中核症状と言い、記憶障害等がそれにあたる。これに対して、全ての症例に出るわけではない症状を「認知症の周辺症状(BPSD)」と言い、見当識障害は「認知症の周辺症状(BPSD)」に該当する。
見当識障害は、認知症を患った場合によく見られる初期症状の一つ。見当識障害は簡単な問診で把握できるため、医師による認知症診断の際にも確認が用いられる。
見当識障害の現れ方は、まず時間の感覚に現れる場合が多く、今日の日付や時間を間違える事が多くなる。症状が進むと朝昼晩・季節もがわからなくなる。
時間の感覚に次いで認識しにくくなるのが場所。外出の際、自分がいる場所がわからなくなり迷子になる病院に行っても病院だと認識出来ない。症状が進むと自宅もわからなくなり、家の中でもトイレの場所、自分の部屋などを間違える。
症状の進行で、人を間違えることが多くなる。家族の認識はできても、家族ではない人・親戚や友人も認識できなくなる。わが子と孫を間違えるなど、相手と自分の関係を間違える事もある。
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