介護職員の研修と報告書

廃用症候群(心と体のしくみと生活支援技術)【初任者研修模擬問題】

こころとからだのしくみと生活支援技術のカリキュラムから、廃用症候群に関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)、及び、補足事項を記しています。

廃用症候群に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 廃用症候群とは、高齢者特有の心身症状である。
  2. 廃用症候群では、内臓への影響はみられない。
  3. 介護者が定期的な体位変換を行うことにより、廃用症候群は予防することができる。
  4. 生活の楽しみや目的を見つけることが、廃用症候群の予防につながる。
  5. 廃用症候群の症状を改善するためには、十分な安静と療養が必要である。

正解:4

「生活の楽しみや目的を見つけることが、廃用症候群の予防につながる」は正しい。廃用症候群を予防する目的で起居動作を促しても、意欲や興味が向く目的がなければ継続は難しいため、利用者の意欲を引き出し、自発につなげられるように支援する。

廃用症候群に関する模擬問題の【適切】”でない”ものの補足

  • 廃用症候群とは、高齢者特有の心身症状である」は、適切ではない。廃用症候群とは、本来ある生理的機能を十分に使用しなかったために、その生理的機能が減弱して起こってくる一連の症候群である。高齢者に多くみられるが特有のものではない。
  • 廃用症候群では、内臓への影響はみられない」は、適切ではない。廃用症候群では、筋力低下に伴う心肺機能の低下や、便秘、尿路感染症といった排泄機能の低下もみられる。
  • 介護者が定期的な体位変換を行うことにより、廃用症候群は予防することができる」は、適切ではない。利用者本人の自発的動作や意欲がみられない状況では有効な予防とはならないため、本人自らが動くという機能や能力を意識できるよう支援する。
  • 廃用症候群の症状を改善するためには、十分な安静と療養が必要である」は、適切ではない。廃用症候群は生活不活発病ともいい、過度な安静で心身機能を十分に活用しないとに起因する症状であることから、病気や障害の場合も早期離床を目指す。

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